NYシティに住んでいると、無料でNYCIDという身分証明書を市から発行してもらえる。
実際にシティに住んでるって事実さえ証明できれば、不法滞在でもかまわんよという太っ腹さ。

で、これ、無料だし手っ取り早そうだし、免許とか取るまでのつなぎに使えそうだし、
とりあえず申請してみようと思ってる方、ちょい待ちかもです。
結論からいうと 

私は取れませんでしたw


「NYCID 申請」とかでググってみてください。最新の申請書(日本語)や公式サイトがすぐ出てきます。

サイトには、申請に必要な書類が細かく書かれてあります。
日本のパスポート申請のような感じで、必要書類の種類ごとに定められた点数を合計して、
基準の点数に達したら申請できます。
「身分証明」と「住居証明」の書類、それぞれ一種類ずつは必要になります。

で、これを見てくださっている方は、日本とかの機械読み取りパスポートをだいたいお持ちだと思うので
それ一点で身分証明のカテゴリはパス。

問題は住居証明。

住居証明書類として使えるのは、例えばこんなもの。

・ケーブルテレビとか公共料金の請求書
・銀行口座関連の通知書
・医療機関からの請求書
・住居賃貸契約書

どれも、自分の名前が記載されていなければ利用できない。
また、書類によってそれぞれ発行日から有効期限がある。

うちは公共料金もテレビもなにもかも夫名義で契約していたので、
まず請求書関連は全滅だった。
引っ越してきたばかりで、税金や保険の証明書もないし、医者にもおかげさまでまだかかっちゃいない。

そもそも、SSNの申請をEADとあわせて弁護士にまかせており、
時間がかかるのでつなぎの身分証明書にNYCIDが欲しいのだ。
なのに、SSNがないとできないような、銀行口座とか携帯電話の契約書類とか、そんなものばかり要求される。
引っ越してきたばかりの外国人、とりわけ駐在の奥様にはわりとハードルが高い。

で、唯一私の名前が記載されていたのが、アパートメントの賃貸契約書。
だんなと連名の契約書になっていたので、これぞとばかりに何十ページときばってプリントアウト。
ついでだから俺も一緒に面接行ってみっか、と、だんなも一緒に申請することに。

面接はオンラインで簡単に予約できる。
時間は細かく分かれていて、会場もいくつかから選べる。

申請書は日本語のものが事前にダウンロードできるが、
最悪現地に行ってからでも英語のものが置いてあるので、その場でも書ける。
また、よくわからなくて書いてないとことかあっても、その場で書き方も教えてくれるので
そんなに厳密に用意していかなくてもいいような気がする。

で、面接。
まず受付で必要書類と申請書を提出。
形式的に揃っていることを確認してもらうと、呼び出しブザーを渡されしばし待合コーナーで待つように指示される。
ここで、リース会社の担当者氏名、電話番号、E-mailを聞かれたので事前に用意していったほうがいい。
私とだんな、ふたりでひとつの賃貸契約書しか持ってなかったのだが、問題なかった。

会場や時間にもよると思うが、待ち時間が長くなるのが心配な方には、
図書館の中にあって暇つぶしに最適な、グラセンの会場をオススメする。

呼び出しブザーが鳴ると、面接の部屋へ。
先程提出した書類の中身をチェックされ、氏名のスペルや誕生日は合ってるか?とか
さっき渡したリース会社の担当者の名前は合ってるか?とか質問を受ける。
私は先述の通りSSNがないので自分名義の携帯を契約しておらず、
連絡先に日本の携帯番号を書いていたのだが、アメリカ国内の電話にしろと言われたので
その場でだんなのアメリカの携帯番号を書いた。

いろいろイエスイエスと答えていって、写真を撮られて、
一週間ぐらいでカードが郵送されるよ、と説明されて終了。

なんだ〜簡単だったな〜と余裕をぶっこいて帰宅、
そのまますぐ忘れていたのだが...

約束の一週間後、ポストにはなぜかだんなのNYCIDのみ。
あわてて申込時にメールで送られて来ていた申請番号をサイトで入力、状況を確認してみると、
ダメっしたソーリーみたいなことが書かれてあった(気がする。ムカついたのですぐ忘れた)。

ダメだったらダメレターが郵送で来るはずなのに、それも来てないし、
なんで同じ状況で申請しただんなだけ取れて私がダメなのよ?ってことで立腹とあいなり、
サイトの問い合わせフォームから怒りのメールを送った。
英語で怒るのに不慣れで、余計ストレスを感じるがしかたない。
なんせこれをしないと私には身分証明書がないのだ。

怒りのメールから数日、メールもレターも音沙汰なく、
こりゃアメリカ流に忘れ去られてんのかな〜と思い始めた頃、
連絡先にしていただんなの携帯に事務局から電話が来た。
あいにく居合わせない旨説明したら、日を改めるとのこと。

で、改めてかかってきたんだけど、もちろん英語だし何言ってるか全っ然わからなくて、
わかんないからメールで説明してくれと頼む。
すると、おまえは何人だ?日本人?じゃあ日本語の通訳をつけてまた電話するから
いつがいいかと聞くではないか。

後日約束どおり、ちゃんとその日に通訳を交えて電話がかかってきた。
通訳の方いわく、なぜ私のNYCIDが取れなかったかというと、
住居証明の書類がダメだったのだという。
でも、まったく同じ書類で同時に申請した夫は取得できたんですよ。なんで?
通訳の方に聞くも、いまいちはっきりと要領を得ない。

で、もう一回申請しますか?と聞くので、
前回と同じ証明書類でいいのか?ダメだと言われた同じ賃貸契約書をのこのこ持っていって
また却下されるんじゃ馬鹿らしいから、同じやつでいいとはっきり言ってもらえないと行きたくないと答える。

すると、それでいい、同じ書類をまた持って来いと言う。
通訳と、係のアメリカ人と、私の間になんとな〜く噛み合わないものを感じながらも一旦終了。
電話で取り付けた面接その2に行くことになる。

んで、面接その2。
言われたとおりに前持っていったのと全く同じ書類をまんま一式持参。
受付で、申請書は新しく書き直せと言われたのでその場で丸写し。
また同じことを聞かれるので同じように答えて、ブザー片手に待つ。

室内に呼ばれると、あなたついこないだ申請してるみたいね?なんで?再申請にはこれこれの日数が必要で
みたいなことを言われたので、
知ってるけど電話でいついつここの人と話して今日来いと言われたんだ、と伝えると
あー、あなたあの日本人!覚えてるわ!と言われた。
おまえやったんかいw逆によく今この瞬間まで忘れてたな???

で、ダメでしたレターは持ってきた?と聞かれたが、うちには届いてない。
電話でも言いましたけどもらってませんと言うと、嘘でしょとばかりにどこかに記録をチェックしに行く。
ここまでも感じていた違和感というか、ズレというか、うまく回ってない感がもう半端ない。

で、この2nd面接でわかったこと。
賃貸契約書を使っての身分証明は、私のように失敗する可能性がとても高いそうだ。
確認のため電話を何回かかけて、それでもしリース会社の担当者が出なかったら終わり。
私はだめでだんなはOKだったことについても、運しだいだね、というような有様。
夫婦だからといって同時に確認してくれることはないようだ。
あまりにトラブルが多いから、今後もしかしたら賃貸契約書は必要書類から外れるかもしれない、というようなことまで言っていた。

で、不信感&納得行かない感を払拭しきれないものの、また同じように写真を撮って、一週間待ってね、と言われて送り出される。

さすがに取れただろうと一週間待って、ポスト見るじゃないですか?

な〜んも来てないじゃないですか??

いやいやいやと思いながらメール確認したら、
NYCIDのことで話があるんで電話してね!ってメール来てるじゃないですか?????

つか自分の携帯持ってねんだよ!電話できねんだよ!
だからNYCID欲しいんだよわかってくれよ〜!

ちゃんと電話したらどうなったのかな〜。
と気にならなくもないが、もうええわとなりぐったりして終了。

というわけで、これが数ヶ月前の話ですが、いまだに身分証明書がパスポートだけで生活しています。
SSNが取れたらnon driver license申請に行こうかなと思ってますので、
また日記にするかもしれません。

結論、賃貸契約書は要注意〜。
どうしてもこれしかないって方は、事前にリース会社の担当者なり大家さんなりに根回ししておくことを強く勧めます。